初めてのお客さまとお会いするとき、多くの人が緊張するでしょう。「話を聞いてくれるか、話をしてくれるか、何を話したらいいか、不安になる」という声をよく聞きます。しかしアンケート調査によると、半数以上の人が「ネタは準備していない」といいます。準備をしていても、その内容は天気やニュース、自分の趣味などごく一般的な話題のようで、特別な会話の内容を仕込んでお客さまのもとへ向かう人は少ないようです。
営業の基本はお客さまのお話を「聴く」ことです。こんな話をしよう、この話なら聞いてくれるかな、などあれこれ準備してしまうと、こちらばかり話してしまいがちになるし、違う話題になったときに対応できなくなってしまいます。それなら最初から考え過ぎない方がいい。
ただ、お客さまに気持ちよくお話していただくには、こちらから「つかみの話題」をうまく振って、相づちを打っていくことも必要です。その基本のネタとして「たちつてと」だけ準備してみてはいかがでしょうか。
た……食べ物の話
ち……地元の話
つ……通勤手段
て……天気の話
と……富、経済の話
お客さまは自分よりうんと経験豊富だから、きっと興味深いエピソードをお持ちのはず。「今日はどんな話を聞かせてくれるんだろう?」。そんな期待を胸に、明るく元気に、笑顔でお客さまのもとへ飛び込んでみよう。

初対面の人に怖がられないコツ
初対面の人に仏頂面で話しかけられたら怖いもの。笑顔で明るく接すれば、怖さはなくなります。でも、いつまでもニコニコしているだけでは話は続きません。初対面の人と話をつづけるコツとして、「黙り込まない」「警戒しない」「相手をまっすぐ見る」を心がけてみてください。
初めて伺ったお宅でキョロキョロするのも悪くない
(投信営業2年目・女性)
お客さまのご自宅ってどのお宅もステキなんです。「その人らしさ」が現れたお宅だなと、いつも思います。
リビングいっぱいにつくりつけられた書棚に、趣味の旅行関係の本がずらりとならんでいるお宅や、代々伝わるという「古文書」のような古い本が置いてあるお宅、家族のお写真がところせましと飾られているお宅。全自動のマージャンの卓があるお宅もありました。ご近所のお友達を集めてマージャン大会をするんだそうです。「ボケ防止に役立つわよ」なんておっしゃっていました。
初めて伺ったお宅では「ステキなおうちですね。すみません、キョロキョロしてしまって」と一言お断りをします。そこからお客さまの趣味や生活スタイルが見えてくることが多いうえ、会話のきっかけにもなるから、めいっぱい観察させていただいています。