金融リテラシー研究所でおこなった販売担当者アンケート調査によると、投信セールスをするにあたって一番緊張するタイミングは「初めて電話をかけるとき」といいます。誰でも何でも「初めて」のときは緊張します。それが「お客さま」という相手があることならなおさらでしょう。
「いまはお忙しいだろうか」「運用なんて興味がなくて、お話を聞いてくれないのではないだろうか」などなど。あれこれ考えてしまい、緊張して、電話をしたり、訪問したりがついつい後回しになってしまう。そんな経験は誰にでもあると思います。運用提案という仕事の大前提は、お客さまの立場に立つこと。お客さまのことをあれこれ考えてしまうのは、すでにお客さまの立場に立っているからとはいえないでしょうか。
販売担当者は、「あれも、これもお伝えしなければ」と思ってお客さまに多くの情報を伝えようとしがちです。しかし、特に投資経験がまったくないお客さまにはなかなか伝わり切りません。そこで、「投資信託という言葉だけでも覚えてもらおう」とか、「キャンペーンの情報だけでも伝わればいいかな」と考えてみてはいかがでしょうか。緊張感はだいぶ減りませんか?
それでも緊張してしまうなら、電話をかける前やインターホンを押す前に、深呼吸を大きくしたり、お茶を飲んでリラックスしたり、逆に「よしっ!」と気合を入れてみてください。緊張を解く「ジンクス」が確立できれば、もう大丈夫です。

10:3:1の法則
投信会社が発信する10の情報のうち販売担当者には3ぐらい、投資家に至ってはわずか1しか伝わらないという現象のこと。「トーサンイチバンの法則」と呼んでいます。結局1つしか伝わらないのなら、投資家(お客さま)のリテラシー(理解力)に合わせて「どの1を伝えたいのか」だけ考えてみるとよいでしょう。
ご訪問の前に「笑顔」の練習
(投信営業9年目・女性)
お客さまのお宅にお邪魔するとき、やはり緊張するので少し早めに到着するようにします。車のバックミラーで身だしなみの最終チェックをし、大きな深呼吸を1つ。
それから大事な儀式を行います。「笑顔」の練習です。緊張していると顔が引きつっているのですが、無理やり笑顔をつくっています(笑)。私が緊張した顔をしていると、お客さまも緊張されます。伝わってしまうんですね。だから、私も無理やり笑顔を。自分の緊張や焦り、不安もなんだかどこかへ飛んでいくような気がします。
車を降りたら家の様子を外から眺めたり、少し周りをぐるぐるしたりして、呼吸を整えてからインターホンを鳴らすようにしています。