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海外の機関投資家の運用手法

キャピタル アセットマネジメントは2021年12月24日、公募投資信託『オーケストラ ファンド』を設定しました。同社によると「特徴的なオルタナティブファンドを組入れたポートフォリオによりオーケストラを構築し、全体として美しいハーモニーを奏でる」意味合いを込めた名称とのことです。

『オーケストラ ファンド』の最大の特徴は、値動きの異なるオルタナティブファンドを組み合わせて、ポートフォリオ全体のリスクを抑制することです。「ハーバード大学やエール大学などの米名門大学の基金では、オルタナティブファンドなどを活用し株価急落などの市場ショックに備えています。『オーケストラ ファンド』も同様に、オルタナティブファンドを組み入れ、総じて安定的な運用を目指します」(同社)。

組入ファンドの選定では、運用残高やトラックレコードに着目した「定量評価」と、丹念なフィールド・リサーチという「定性評価」で抽出した約3000本の投資対象ファンドから、市場ショック時の下落水準や他の組入候補ファンドとの相関性などを勘案し、最終的に10本程度のファンドによるポートフォリオを構築します。なお、組入ファンドとその組入れ比率については「しさん設計株式会社」の投資助言を受けます。

ミドルリスク・ミドルリターンで下振れリスク抑制を目指す

設定当初から組入ファンドのほとんどは「守備力の高い」オルタナティブファンドです。例えば、『MFS メリディアン・ファンズ‐プルーデント・キャピタル・ファンド(i1 USD)』は、「資金を増やすカギ=大きく失わない」を基本コンセプトに低リスクで株式に近いリターンを目指します。一方、『DMS UCITS コリブ・プラットフォーム ICAV-ABR ダイナミック・ブレンド エクイティ & ボラティリティ・ファンド I クラス』は、市場混乱時にVIX指数(ボラティリティ指数)への投資比率を引き上げ、米国株式市場の混乱時に大きなリターンの獲得を狙います。

『オーケストラ ファンド』には、リスク水準の異なる「安定コース」と「成長コース」の2種類があります。IFA(独立系金融アドバイザー)も同ファンドに注目。大手IFA会社によると、インフレ懸念が高まる中、預金口座に放置されている現金の代替としたいミドルリスク・ミドルリターン商品とのことです。

キャピタル アセットマネジメントは「プロの運用手法を個人投資家に提供したくこの商品を開発しました。幅広い金融機関に取り扱いいただき、多くの方々の資産形成にご活用いただきたい」と語ります。

■『オーケストラ ファンド』の半期ごとの運用シミュレーション(2018年9月末~2021年10月末)
図表
出所:キャピタル アセットマネジメント

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