投資や資産運用に関する「怖い」「危ない」といった顧客の不安を払拭し、NISA制度を利用してもらえるようなヒントをQ&Aスタイルでご紹介します。
(『ファンドマーケティング』2022年2月発行号より転載)
Q
50代男性です。
NISAって何ですか?
A
投資のリターンがすべて自分のものになる国がつくった少額投資非課税制度です
「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類
NISA(少額投資非課税制度)は、国が国民の資産形成を後押しするためにつくった税制優遇制度です。通常、株式や投資信託などに投資した場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対し約20%(20.315%、うち所得税及び復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税金がかかります。
一方、非課税口座のNISA口座なら、その配当金や運用益には税金がかかりません。投資した100万円が売却時に150万円になった場合、通常なら50万円×20.315%=10万1575円の税金が引かれてしまいますが、NISA口座なら、売却益50万円をまるまる受け取れるのでお得です。例えば、投資未経験者のお客様のセールストークでは、商品からではなくNISAの紹介から始めると、運用を始める後押しになるでしょう。
日本に住む20歳以上の人が利用できるNISAには、一般NISAとつみたてNISAの2種類があり、どちらか一方を選びます。
一般NISAは上場株式や投資信託などを年間120万円まで購入可能で、5年間非課税投資できます。
もう一つのつみたてNISAは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するために2018年1月に始まった制度です。金融庁の基準を満たした投資信託やETF(上場投資信託)を年間40万円まで購入でき、最大20年間非課税で保有することが可能です。100円単位の長期の時間分散投資は、資金の少ない人や投資初心者にとって利用しやすい仕組みと言えるでしょう。