▼ 第2回を読む
──今回は「ぜんぞう・十年十色」の人気のひみつをお聞きできればと思っていますが、「十年十色シリーズ」について、違いを教えてください。
柳谷「十年十色」の設定は、2019年に話題になった「2000万円問題」がきっかけになりました。その2年程前からFD(フィデューシャリー・デューティ=顧客本位の業務運営)の重要性が高まっていたため、販売会社様では既に長期的な投資、資産運用を提供しようという動きが出てきていましたが、2000万円問題で投資家の意識も変わりました。そうした潮流のなかで、これはチャンスかも知れないと。

取締役会長 柳谷俊郎氏
──どのようなチャンスですか?
柳谷ゴールベースアプローチという考え方があげられる中で「ぜんぞう」が順調に達成を積み上げ、実績を残していましたが、5年という投資期間は、長期投資とは言い難いのが正直なところでした。
本当の長期投資に資するファンドをつくるなら、今だと思いました。
例えば60代で退職した人が、あと30年、人生を楽しんでいきたいと思った時に、10年で期待リターンの達成をめざすファンドがあれば、ちょうど良い区切りになるのではないかと考えました。そこで2019年から1年かけて、ファンドをつくっていきました。
──御社の運用方針に、世の中の流れがあってきたのですね。
柳谷そうです。「十年十色」で私がやりたかったことは、100%に限りなく近い確率で、10年で30%上昇するファンドの設計です。リーマンショックのようなことがあっても、10年という時間をかければ、ちゃんと目標に届くんですよというのを実践したかった。
こちらは運用期間の長さを考慮して、債券90%:株式10%という割合を、2年かけて債券30%:株式70%という割合にしていきます。また、基準価額が30%の上昇を達成した後は、一定期間内で株式の実質的な組入比率を概ね10%に引き下げ、債券に概ね90%投資する運用に切り替えることを基本としています。

──投資する銘柄の基準などは「ぜんぞう」と同じですか。
柳谷基本的には。違いといえば、「十年十色」には、ディメンショナルがESGのスクリーニングをした「サステイナビリティ・ファンド」の銘柄を入れています。
──販売会社での反響はいかがでしょうか。
柳谷おかげさまで好評をいただいています。とくに嬉しいのは「こんなにお客様をフォローしやすいファンドはありません」「担当者が変わっても何の問題もないファンドですね」などと言ってくださることです。
販売会社での商品説明会で、以前は「次は何に投資するんですか?」と質問されていましたが、今では「何故これなんですか?」と聞かれます。
そうした意味では「ぜんぞう・十年十色シリーズ」には、投資家の方に寄り添って設計した明確な意図があり、めざすべきゴールもハッキリしている。そのゴールも達成を積み重ねてきている。
これがセールス担当者の方の納得感や自信となるため、お客様にしっかり説明できる。それがお客様にも伝わる。そうしたケースが増えているのだと思います。
──今後も楽しみですね。
柳谷このシリーズの販売会社様が今年度中に20社以上になる見通しです。当社でも精一杯サポートしていおきますので、お客様への長期投資の商品としてご提案いただければ嬉しいです。
これからも販売会社のみなさま共感していただけるファンドをご提供していきたいと思います。