経済や社会の注目テーマを「ポジティブ」と「ネガティブ」の両面から分析し、その本質に迫る本コーナー。講師の解説を、投資信託の商品理解や顧客への説明に役立ててほしい。今回のテーマは「中国不動産不況のゆくえ」だ。 (『ファンドマーケティング』2023年12月発行号より転載)
視点1
地方政府の財源を支える「土地使用権」の売却益
不動産業および建設業は、中国の2022年の名目GDP(国内総生産)のうち約13%を占めます。また、他の産業への波及効果を含めると、GDPの約3割が不動産関連業と言われています。足元の中国の不動産関連指標は、行動制限を伴う新型コロナウイルス規制(ゼロコロナ)解除後に一時回復の兆しを見せたものの、2023年4月以降は鈍い動きとなっており、それに伴い経済活動も失速しています。中国経済の成長を支えてきた不動産はなぜ不況に陥っているのか、その背景と今後の見通しをみていきましょう。
これまで不動産価格が上昇してきた背景の1つが「土地の公有制」です。中国の土地は国有のため企業や個人は土地を所有することはできませんが、国から期限付きで「土地使用権」を購入できます。地方政府にとっては、土地使用権の売却が大きな財源となることから、積極的に開発が進められてきました。
こちらの記事は会員登録で続きをご覧いただけます
『フィナンシャル・マーケティングWEB』会員なら
全国の トップセールスのノウハウ記事 が全文読める
『ファンドマーケティング』の最新号の記事が スマホで発売日前に読める
『保険マーケティング』の記事が スマホで読める
新着記事や注目記事が分かる 会員限定メルマガ が届く