未上場のまま大きく成長する企業が増えるなか、プライベートエクイティ(PE)への個人投資家の関心も高まりつつある。PE投資はどのような仕組みで収益が生まれるのか。なぜ今、PEへの投資機会が広がっているのか。上場株式とは異なる特性やリスクも踏まえ、販売会社が商品採用や顧客提案で確認しておきたいポイントを探る。(『ファンドマーケティングvol.85』2026年10月13日発行号より転載)
未上場企業の成長機会をとらえる個人投資家にも広がるPE
森 駿介氏
大和総研
金融調査部 主任研究員
金融調査部 主任研究員
企業の成長機会は、必ずしも上場後に始まるわけではない。例えば、米国の宇宙開発企業スペースXは未上場のまま資金調達を重ね、2024年12月に約3,500億ドルとされた企業価値を、2026年6月の上場時には約1兆7,700億ドルまで拡大させた。対話型AI(人工知能)「ChatGPT」を手掛けるオープンAIも、2024年10月時点で1,570億ドルだった評価額を、未上場のまま2026年3月には8,520億ドルへと押し上げている。両社とも、未上場の段階ですでに企業価値を大きく高めていた。
もっとも、企業価値の上昇が投資家のリターンにそのまま直結するわけではなく、実際の投資成果は投資時期や取得価格などによって異なる。また、未上場株式は上場株式とは価格形成や流動性(売買のしやすさ)、情報開示などの面で大きく異なる(図表1)。一般の個人投資家にとっては自由に売買することが難しい半面、上場株式だけではとらえにくい成長機会が存在することが、PEへの関心を高める一因となっている。
PE投資では主に未上場企業などに出資し、経営改善や事業拡大を通じて企業価値を高め、IPO(新規株式公開)やM&A(合併・買収)などによる売却で資金回収を目指す。バイアウト(株式の過半数を取得し、経営権を握る買収手法)に加え、グロース投資やベンチャーキャピタル(VC)なども含む幅広い概念だ。
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