株式市場の様々なセクター(業種)を専門家が徹底研究。注目ポイントや業界内のトレンドを紐解き、投資信託の値動きへの影響や商品選びに役立つ視点を紹介します。第1回は半導体セクター。ナビゲーターは楽天証券経済研究所の今中能夫氏です。

チーフアナリスト
今中 能夫氏
半導体、とひと口に言っても様々な種類があることをまずは押さえておきましょう。有名なのは、コンピューターの作動に欠かせないCPU、NAND、DRAMです。CPUは演算や制御を担う「頭脳」、NANDはデータを長く保存しておく「本棚」、DRAMは処理中の情報を一時的に置いておく「作業机」と考えると分かりやすいです。本棚から必要な本を取り出して作業机に置き、頭脳で考える━━そんなイメージです。
また、パソコンだけでなく、世の中のあらゆるモノがインターネットにつながるIoT化、またオートメーション化にも半導体は欠かせません。用途が広い半導体は今や「産業のコメ」とも呼ばれています。
加えて、半導体セクターを理解するうえで外せない特徴が、特定の1社がすべてを手掛けているのではなく、海を跨いだ世界的な分業によってつくられていることです。半導体産業は大きく設計、製造、製造装置、素材と担当が分かれていて、それぞれを得意とする企業が存在します。料理に例えるなら、設計=レシピ、製造=コック、製造装置=キッチン用具、素材=肉や野菜、といったところでしょうか。
設計ではアメリカのエヌビディア、製造では台湾のTSMCが代表格です。一方、日本は製造装置や素材に強みを持っています。製造装置では東京エレクトロンやアドバンテスト、素材では信越化学工業やSUMCOなどが知られています。
【図表1】 3つの半導体製品のイメージ

出所:今中能夫氏への取材を基に編集部作成
昨今、株式市場の上昇を牽引する主役のような存在となっている半導体セクターですが、業績には調子のよいとき、悪いときがあり、大きな浮き沈みがあると考えられてきました。
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