「長期金利の上昇に対する警戒からNYダウが下がりました」という説明に段々慣れてきた頃。しかしながら、長期金利の上昇も急激な水準でない限り、株価上昇と並走できるとわかり、合理的バブルはまたぞろ継続していると見るのが現状の金融資産市場の評価ではなかろうか。
しかし、リスクは必ずある。今回は新興国のリスクについて取り上げたい。デフォルトが近いと疑われるようなひっ迫した国があるとは考えないながらも、念には念を入れ、である。
①新興国の金融政策・財政政策
新型コロナウイルス禍を生き抜くために、新興国がとった手法も先進国と違わない。緩和を主体とする金融政策と財政政策である。図表1を見ると、いかに2020年の財政政策が大盤振る舞い気味だったかがわかる。しかし、この財政政策によって堅調な内需に貢献、コモディティ価格の上昇も相まって、インフレ率が予想を上回って伸び始めたというのが現状だ。
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