掛け声だけに終わる 保険会社のSDGsと地方創生
三井住友銀行が「グリーン預金(環境預金)」の取り扱いを始めることが報じられました。まず2000億円をめどに企業や機関投資家から預金を募り、再生可能エネルギー発電など二酸化炭素(以下CO2)の排出削減につながる事業に絞った融資にあてるということです。
ついにここまで来たかという感じですが、脱炭素についてはほぼ毎日といっていいほど、ニュースが流れています。保険会社に限定しても、第一生命保険が2025年までに投資先によるCO2排出量を2020年比で約3割減らす中期計画を実行に移すことが報じられました。
脱炭素のニュースは、毎日のように目にするようになった
日本生命保険は、2050年に社債と株式の全投資先について、CO2排出量がゼロになるようにするようです。両社とも投資先企業にCO2排出削減の取り組みを促し、対応が不十分な場合は売却を検討するとしています。
明治安田生命保険は、国際開発金融機関の米州開発銀行(IDB)が発行する債券に約108億円を投資することが報じられ、投資資金は、中南米・カリブ海諸国における自然資源の持続可能な利用に取り組む産業の支援や加盟諸国の経済・社会発展につながるプロジェクトなどに充てる予定だそうです。
このように保険会社は積極的にSDGsを意識した展開をしていますが具体的に何ができるかまでは見えて来ません。また、保険会社各社は色々な自治体と地域包括連携をしてIRで発表していますが、CSR (Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)は達成できても、CSV (Creating Shared Value:共有価値の創造)は何一つ創出していないと思います。結果、掛け声だけの地方創生とSDGsに終わっていると思います。
全国の保険代理店を組織化 ふるさと納税で水力発電所を造る
これを実にするために「各地の地元でお客さまのために日々がんばる保険代理店を組織化する」ことで新しい景色が見えてくると考え、この度、結心会では一般社団法人日本再生エネルギー地域資源開発機構(以下「Rdo」)と基本合意を交わしました。
何をするかというと、地方に何と水力発電所等を造るというプロジェクトです。ここに全国の保険代理店を「SDGsサポーター倶楽部」として組織化し、それぞれの地元の法人・個人にふるさと納税を働きかけます。この資金を集めて水力発電所、太陽光発電所を造ることで、地方創生と脱炭素= SDGsの両方を解決させるという壮大な企画です。
ふるさと納税で水力発電を造るという壮大なプロジェクトがスタートしている
企業でふるさと納税されると損金処理ができますし、どこの法人でもSDGsに役立つことであれば着手したいと思っていますので、保険代理店が飛び込み営業で法人を回るだけで成果につながると考えています。ふるさと納税に賛同いただいた法人には、地方の特産物に替えて、完成した水力発電所や太陽光発電所から再生エネルギーを供給してもらえることになり、法人としてもCO2削減ができます。
投資先企業がCO2を削減できなければ出資を引き揚げるとしている保険会社は、この企画を投資先企業に提案し、採用されれば一定のCO2削減につながると考えています。
自治体・金融機関、保険代理店が協働 地方創生とSDGsの両方を同時に達成
保険代理店は「オラが町にも水力発電所を」ということであれば、自治体に提案することで自治体との距離を縮めることができると考えます。また、企業サイドから「SDGsサポーター俱楽部会員」として見られることで、保険代理店の地位向上に繋がるとも考えています。
すでに具体的な建設依頼がRdoに来ており、2021年5月の正式発足と同時にスタートする運びで、早くもサポーター俱楽部会員募集の説明会も始まっています。
私はここに地域金融機関を絡めるべく動いています。地方自治体、地方の金融機関、保険代理店が共に動けば地域創生とSDGsの両方を同時に達成させることができると考えています。
自治体・金融機関・保険代理店の協働で、地域創生とSDGsの両方を追求する
保険代理店の営業パワーを活用することで、保険会社の掛け声だけの地方創生とSDGが一挙に具現化していきます。将来的に再生エネルギーが売れれば、その利益は参画いただいた保険代理店等で分配しますし、当然発電所ができれば、この物件から生じる保険は分担契約にして恩恵を被れるようにしていきます。
保険が将来どうなるか見えない中、今持つ営業力を使い新しい視点で顧客開拓することで、将来にわたっての保険外収益を構築することにもなるわけです。
金融機関の皆さまも一緒に共創していきませんか。