クロージングの基本ステップを積み重ねて、「そろそろ返事が欲しいな」というツメの段階。ここで「YES」の返事がもらえるかどうかは、お客さまとの信頼関係に比例するとも言えるでしょう。信頼関係は、どうすれば築くことができるのでしょうか。読者アンケートに寄せられた回答のなかに、多くのヒントがありました。
金融用語を極力使わない、かみ砕いた表現。必要に応じて絵を書くなどの「見える化」。
聞き上手になる
お客さまの気持ちに耳を傾ける。無口なタイプは話の糸口を多方面から広げて、沈黙にもめげない。話好きの方ならよく聞いて、必要に応じて上方修正を行う。
小さなYESを積み重ねる
「インフレで資産が目減りするのは困りますね」など、「そうね」と答えやすい質問で、お客さまの同意を積み重ねていく。
数字を明確に示す
迷っているお客さまには「2つの選択肢があります」と、運用成果や手数料などを数字で示して選んでもらう。
お客さまの理解度を再確認する
とくに理解していただきたい仕組みやリスクなどを、まとめて「おさらい」する。
(読者アンケートの回答より)
一つでもいいからクロージングに持っていくための方法を実際に試してみてください。やってみると、うまくいかないこともあります。それは自分自身を変えるチャンスです。試して失敗して、考える……を繰り返す。クロージング上手への王道です。
良い提案があれば、また来ます。
(広告代理店営業部長・キャリア25年・男性)
クロージングで断られても、お客さまとつながっておくことが大事です。最後に、「良いご提案があれば、また来ます」と必ず言い添えます。クロージングは、お客さまのタイミングも関係しますから。
私はいつも広告を出稿することの効果を感じていただける仕掛けと情報提供を準備して訪問します。しかし、最初の訪問で全部は説明しません。相手が興味を持って、もう少し情報が欲しいかなというところで、十分です。1週間くらい時間を空けて、再度訪問すると、「もっと知りたい」という気持ちが高まっているので、よく聞いてくれます。
興味があるのに迷っているときは、広告掲載費の支払い時期を可能な範囲で調整したり、社内で検討しやすい形で企画書を作成したりするなど、負担にならない方法を考えて提案することも。その方の社内での立場も理解したうえで、「私はあなたの味方です」という気持ちで対応します。