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これまでの投資の概念やイメージを変えたいと、アセットマネジメントOneが提案している新語「未来投育(みらいとういく)」が、いま販売会社から注目されている。同社では2021年10月19日を「とーいくの日」として、同日に販売会社に向けたオンラインのライブイベントを実施した。当日の模様を紹介する(ウィサポ編集部)。

お金を育てる、お客様を育てる 原点を見つめ直すテーマ

 豊かな未来を楽しむために(資産を)育てることにお金を投じよう、という「未来投育」の理念。資産運用を「お金を育てる」という表現に落とし込み、投資信託のセールスでの活動も「お客様を育てる」と言う視点で考える。これは販売会社の活動の原点として、ありそうでなかった発想だ。その考え方を伝える第一歩として、今回のイベントは「育てるって何だ?」をテーマに2部構成で展開された。

 第一部では「人を育てる」をテーマに、箱根駅伝で勝つ組織を作り上げた、青山学院大学地球社会共生学部教授 陸上競技部長距離ブロック監督の原晋氏をスペシャルゲストとして迎え講演を行った。

 原氏は、大学卒業後に中国電力陸上競技部1期生で入部したが故障のため結果を残せず、5年で選手生活を終える。その後、同社の営業部に異動になり、顕著な営業実績を上げて「伝説の営業マン」となった経歴を持っている。営業マン時代に培ったノウハウやビジネスメソッドをスポーツの現場で落とし込んでいるという。

 イベントの司会進行を務めた、アセットマネジメントOne投資信託プロモーショングループ長の伊藤雅子氏も「お金を育てるという概念を理解して、お客様と共有するというのは意外に難しく、時間がかかることです。覚悟を持って取り組んで、信頼を得なければなりません。そうした意味で原監督のお話は、発見や説得力があったと思います。参加者からも “人もお金も育てる、その基本は一緒なんだとわかりました” といった感想を寄せていただきました」と話す。原氏の講演は管理職の参加者からも多くの反響があったという。「育てる」ということについて、改めて見つめ直すきっかけにもなったようだ。

タイム ノット タイミング
市場に居続けることが重要

 第二部では、「未来投育」と設定5周年を迎えた同社のファンド「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)愛称:未来の世界」をコラボレーション。同ファンドは2021年9月で設定から5年が経過し、8本あるシリーズ累計の残高は2兆5,000億円まで成長しており、業界を代表するファンドに育っているという。なかでも、同ファンドは9月末時点で基準価額が30,053円と好調だ。

 ハイクオリティ成長企業を発掘し、割安時に買うという投資哲学を貫き、長期でのリターンにこだわる同ファンドは、実は「未来投育」の考え方とベストマッチな商品だといえる。

未来の世界(為替ヘッジなし) 運用実績

 そこで、第二部では同ファンドについて、アセットマネジメントOne投資信託プロモーショングループチーム長 馬場浩美氏と、戦略運用本部マルチマネジャー運用グループ 第1チーム長 滝口圭介氏が解説をした。

 滝口氏は世界中が運用するファンドの中から、日本のお客様にぜひお勧めしたいファンドを探してくる役割を担い、年間約100本のファンドを調査し、多くのファンドマネージャーから話を聞いているという。

 同ファンドは基準価額が5年で約3倍となっているため、お客様から売った方が良いのかといった相談を受けたり、これから購入することに慎重になってしまったりする販売担当者も少なくない。

 そうした販売会社の声を代表して「今後もこれまでの高い再現性を持って運用できるのか」と馬場氏が質問。滝口氏は「運用の仕方は会社やファンドマネージャーによってさまざまだが、スポーツや勉強と同じで、ここを押さえないと勝てないという3つのポイントがある。同ファンドはそのポイントを高いレベルで押さえたファンドである」と説明した。3つのポイントは「①短期的なイベントを過度に重視してしまう、②長期的に向いていない指標で判断する、③枠にはまらないユニークな企業を見落とす」だと指摘。実は、常に市場を見続けているアナリストはこうした傾向に陥りやすいという。

 同ファンドの運用責任者であるモルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントのクリスチャン・ヒュー氏からも、動画でのメッセージが届いた。ヒュー氏は「投資で最も重要な原則は、タイム ノット タイミング だと思います。つまり、投資はタイミングではなく、市場にどれだけ居続けるかが重要ということなのです」と明言。

 「当チームは投資家の皆様の代わりに運用を行い、皆様から投資タイミングの問題を取り除くことに努めていく」ため、投資家は、投資目標を実現させるために、市場に投資する期間だけ決めれば良いと、力強いメッセージを送った。

 「未来投育」を実践していくためには、その考え方を実践する受け皿となる商品のご提案ができてこそ、お客様の納得感を得られる。だからこそ、長期資産形成に資するファンドが必要だとする同社。「未来の世界」はそうしたファンドの代表として位置づけている。

 今回のオンラインライブでは、敢えて組み入れ銘柄の解説を一切しない、というチャレンジをしたという。こうしたセミナーで、銘柄に触れないのは、記者自身もこれまでに経験したことがなかった。

 「どうしてもマーケットや商品の話と、投資啓蒙の話を別々に考えてしまいがちです。しかし、今回私たちが“未来投育×未来の世界”に込めた思いは、両方が揃って、初めてお一人ずつの成功体験や共感につながるということ。それを提供していくことで、販売担当者の皆様に安心してついて来ていただける運用会社でありたい」(伊藤氏)。

「未来投育×未来の世界」でオンラインイベント

アセットマネジメントOne投資信託プロモーショングループチーム長 馬場浩美
戦略運用本部マルチマネジャー運用グループ 第1チーム長 滝口圭介

「未来投育をお客様に伝えたい」
参加者の反響に手ごたえ

 二部構成で1時間に渡るプログラムを終える頃には、参加者からたくさんの質問や感想がチャットで届いた。あまりの多さに予定時間を15分間延長して受け付けたほどだという。「正直、こんなに良い内容だと思ってなかった」「人生100年、お金の色分けと、これまで散々言ってきたが伝わらなかった。でも未来投育なら伝えられる気がする。今日の話をどう伝えれば良いか、教えて欲しい」「お客様に喜んでいただけるように信念を持って仕事に取り組んでいましたが、投資を通じてお客様の人生を豊かにするという社会的使命があることが再認識でき、自分の仕事に改めて自信が持てました」といった感想が寄せられたという。

 同社では、「お金を育てる、お客様を育てる」といった考え方への理解は、ゆっくり、継続的に行っていくことが大事だと考えている。

 「投資は、最初にどのような目的で、どのくらいの期間持てるかをしっかり考えておかないと、基準価額が変動したときに、お金を育てるという意思がブレてしまいます。こうした悩みを減らして行きたい。それには、投信を提案するもっと手前で、お客様とどんなキャッチボールをしていくか、そこに意識を向けることが重要です」(伊藤氏)。

 同社では今後、販売会社専用サイト「Oneフォーラム」で、ロープレ形式の動画コンテンツ「未来投育を伝えよう」シリーズを11月18日にスタートする予定だ。「これからも、未来投育を広めるためのコンテンツを充実させていくので、ご期待ください」(伊藤氏)。

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