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2024年1月の制度改正を機に、NISA(少額投資非課税制度)のつみたて投資枠を使って投資を始める方が増えています。一方、成長投資枠に関しては「相場の状況に応じて購入したい」との意向を持ちながら、実際は何を買えばよいか分からないと感じる方が多いようです。 シリーズ連載「NISAの2歩目」では、つみたて投資枠で資産運用の1歩を踏み出したお客様に、「2歩目」として成長投資枠の活用を促すヒントをご紹介します。第1回は、2本目の投資信託の選び方について解説します。

対象商品の幅が広く、投資家の自由度が高い

つみたて投資枠では、米国株式型や全世界株式型の投資信託が人気です。どちらも米ドルのウエートが大きく、資産は株式のみと、分散が不十分です。米国株式型の投資信託(ヘッジなし商品)は言わずもがなですが、全世界株式型でも投資割合をみると米国株式が6割超、日本を除く先進国株式の割合が8割超といったケースもよくみられます。

したがって2本目の投資信託を購入するなら、つみたて投資枠よりも対象商品の幅が広く投資家の自由度が高い成長投資枠をうまく活用し、ポートフォリオ全体の為替や資産の分散によるリスク軽減を目指しましょう。

ポートフォリオ全体で資産と為替リスクを分散(図表)

為替リスクは、国内資産型またはヘッジありファンドで分散

為替リスクを分散するには、国内資産型または為替ヘッジありの投資信託が選択肢になります。前者の国内資産型なら、国内株式または国内REIT(不動産投資信託)型の商品が候補となるでしょう。つみたて投資枠では、国内REITを含むバランス型商品は購入できますが、国内REITオンリーで運用する投資信託は対象外です。しかし成長投資枠であれば国内REIT型の商品も購入できるため、資産分散を図りやすいといえます。

後者の為替ヘッジありの投資信託を検討する場合は、期待リターンとヘッジコストを考慮しましょう。ヘッジコストによって、せっかく得たリターンが手元に残らないケースも考えられるためです。例えば、期待リターンが3%の債券でヘッジコストも3%かかるのであれば、差し引きするとリターンはゼロとなってしまいます。

そのため、為替ヘッジありの投資信託を選ぶなら、株式やREITなど価格変動が比較的大きく、長期的に大きな成長が期待できるものを選びましょう。ヘッジコストがかかっても債券に比べればリターンが得やすいためです。

資産分散を徹底するならコモディティ型も選択肢

つみたて投資枠で人気の投資信託は、米国株式、特にハイテク銘柄に偏りがちです。資産分散をさらに徹底するなら債券型のほかコモディティ型の投資信託を検討してもよいでしょう。特に金は「有事の金」ともいわれ、地政学リスクが高まった際や株式が暴落した局面などに価格が上昇する傾向がみられます。なおコモディティ型の投資信託もつみたて投資枠では対象でないため、購入は成長投資枠一択となります。

ほか、ハイテク銘柄への偏重は資源関連銘柄やヘルスケア関連銘柄で分散するのも一手段です。資源関連銘柄とは原油、天然ガス、金や銅関連の事業を手がける企業のことで、ヘルスケア関連銘柄は製薬会社や医療機器メーカーなどが該当します。

こうしたテーマ性のある投資信託もつみたて投資枠では対象が少ないため、成長投資枠での購入が現実的です。

お客様の運用目的やリスク許容度を尊重したうえで、安定運用の実現のために成長投資枠を活用するプランをご提案してはいかがでしょうか。

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