2023年に入り日本株が急騰し、7月には日経平均株価がバブル崩壊後の最高値を更新した。好調の背景や今後の見通し、投資意義などを有識者やファンドマネージャーに聞いた。
(『ファンドマーケティング』2023年9月発行号より転載)
名目GDPの伸びに着目
インフレ復活による株価上昇に外国人投資家が期待
相対的に良好なファンダメンタルズ
2023年に入り日本株が急騰し、33年ぶりにバブル崩壊後の最高値を更新した。日本株は外国人投資家が買えば価格が上昇し、売れば価格が下落する傾向が30年以上続いており、足元の急騰も外国人投資家の買いにけん引されている。その理由は、「外国人投資家が日本株をどのように見ているか」がポイントになる。
楽天証券経済研究所 チーフ・ストラテジストの窪田真之氏は、「日本株は世界の経済や市場動向に左右される『世界景気敏感株』ですが、世界景気の見通しが良いならば、日本株の前にまず米国株や中国株に投資するでしょう。足元では、日本のファンダメンタルズが相対的に良いため日本株が選好されています」と説明。米国では金融引き締め継続への不安や、地方銀行の財務悪化・預金流出といった銀行システム不安が漂う。対して日本は、大規模金融緩和が続いている上、銀行の財務状態も健全だ。ほかにも、米中の対立が厳しくなり、欧米が中国株を買いにくくなっているといったファンダメンタルズの違いから日本株に投資マネーが集まっている。
加えて窪田氏は、①リオープン(経済再開)による内需拡大、②インフレの復活、③自社株買いの増加─という“日本固有の構造変化”が日本株の追い風になっていると指摘する。まず、短期的なプラス要因になっているのが①リオープンによる内需拡大だ。米国では2021年に新型コロナウイルス禍からの経済回復が進み、消費が過熱。深刻なインフレが発生し、景気が減速している。一方、日本はこれからリオープンが本格化するため、消費拡大への期待が高まっている。
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