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中国は“金融市場の特異点”。先行き見通すカギは「理論」の理解
中国リスクと聞いて、2021年に印象的だったのはやはり中国恒大集団の債務危機だろう。足元では同社の問題は沈静化したとの見方もあるが、①有識者の間では個社の問題というよりも、より引いた目線で中国政府が中長期の成長の土台を固めるべく、不動産バブルの抑え込みに向けて行っている規制強化などのアクションの成否を重視する向きが多い。表面的な出来事ばかり見ていては大局を捉えづらいのが同国の特徴だ。
(中略)
中国の情報を精査することは簡単ではない。そこで②中国リテラシーを高める第一歩として千原氏が勧めるのが、新政策の土台となる中国の思想や共産党の政治理論を知ることだ。「中国企業の中にある党組織では、経済や政治などの理論学習会を毎週開くのが必須だ。中国経済や企業の先行きを予想しようとしたら避けられない観点になるが、日本を含む海外では驚くほど研究が進んでいない」(千原氏)
出所:『J-MONEY』2022年1月号「機関投資家のポートフォリオ戦略~コロナ禍・インフレ・中国の3大リスクには債券運用の多様化と低流動性資産で対応」記事より
解説
今回紹介するテキストは、『J-MONEY』2022年1月号の特集記事の1部です。この部分では、中国経済に詳しい内藤証券 投資調査部 チーフストラテジストの千原靖弘氏へのインタビューを基に、隣国・中国のリスクに対してどのように臨めばいいのか解説しています。
現在、中国の不動産市場を巡る混乱が、世界的な経済リスクとして再び注目の的となっています。そこで今回は、上記のJ-MONEY記事のポイントを基に、足元の中国不動産ショックのポイントを解説していきたいと思います。
■過去の不動産市場への介入で経済のひずみが蓄積
上記記事を執筆した2021年12月は、中国の大手不動産デベロッパーである中国恒大集団の債務危機をきっかけに、中国の不動産リスクが大きな注目を集めた時期でした。
その後、中国が一時的に新型コロナウイルス感染拡大の封じ込めに成功するなどした結果、景気回復と相まって同問題は沈静化したとの見方も多くありました。
ただ、2023年8月18日、経営再建中だった中国恒大集団が米ニューヨークで破産申請を行ったニュースが報じられたのに加え、同じく業界大手の一角である碧桂園(カントリー・ガーデン・ホールディングス)の資金繰り不安も明るみに出ました。
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