(『ファンドマーケティング』2023年6月発行号より転載)
金融庁が目指す官民一体での国民の資産形成支援
本部は現場と向き合い、的を射た施策を講じてほしい
NISAが抜本的拡充 新旧分離で運用可能
2024年1月に新しいNISAが導入される。現行のNISAにはつみたてNISAと一般NISAがある。現行制度ではどちらか一方の制度しか利用できず、非課税保有期間が有限で、また投資限度額も十分ではないとの声がある。対して新しいNISA(以降、新NISA)は、現行NISAが一本化して「つみたて投資枠」と「成長投資枠」に変わり、2つの投資枠は併用できる。非課税保有期間は無期限で、非課税保有限度額が1800万円まで拡大するのも大きなポイントだ(図表)。
「新NISAと現行NISAの運用口座は“新旧分離”で管理されます。つまり、現行NISAを利用している投資家の場合、現行NISAの運用枠とは別に、新たに総額1800万円まで非課税で運用できます」(金融庁総合政策局総合政策課総合政策監理官の岸本学氏)。現行NISAの口座を持っていれば、2024年1月に自動で新NISA口座が開設されるのも利点だ。
銀行や証券会社などの販売会社としては、新NISAの対象商品が特に気になるところだ。つみたて投資枠は現行のつみたてNISAと同じなのに対し、成長投資枠は現行の一般NISAの対象商品から一部が除外される。
除外対象は、既に上場廃止が決まっている企業や上場廃止リスクがある企業の株式だ。また、「信託期間が20年未満」、「毎月分配型」、「一定のデリバティブ運用型」のいずれかに当てはまる投信も除外されるが、これらは実はつみたて投資枠の政令要件と同じ要件であり、根底には国民の安定的な資産形成に資する商品を揃えるとの思想がある。「例えば、信託期間が5年程度では、安定的な資産形成に資するのかとの議論がありました」(岸本氏)。また、金融機関による「成長投資枠」を使った回転売買への勧誘行為に対しては、金融庁が監督指針を改正し、監督およびモニタリングを実施する予定だ。
顧客と現場の実態を把握し真に必要な商品を見極めて
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