2022年の制度変更で加入対象者が拡大したiDeCo(個人型確定拠出年金)。税制優遇のメリットが大きく、「人生100年時代」の老後の備えになると注目を集めています。金融機関にとっては、お客様にiDeCo口座を開設していただくことで、長いお付き合いに繋がるきっかけになるでしょう。本コーナーでは、制度の仕組みやお客様への説明におけるポイントを解説します。第1回はiDeCoの成り立ちです。
ほとんどの人が任意で加入できる
iDeCo(確定拠出年金)とは、一言で言うと、自分自身でお金を積み立てて運用することで老後資金をつくる私的年金制度です。
法律で定められた国の制度であり、積極的に利用が推奨されています。「iDeCo」の名は個人型確定拠出年金の英語表記「individual-type Defined Contribution pension plan」をもとにつけられました。
iDeCoは、20~65歳未満で国民年金保険料を支払っている人であれば、ほぼ全ての人が任意で加入できます。投資信託などの金融商品は加入者自身が選んで運用します。
加入者にとっては、所得税や住民税を節税できる、運用益に税金がかからないなどのメリットがあります。反対に、積み立てて運用したお金は原則60歳までは引き出せず、中途解約できない点には注意が必要です。
制度改正を経て加入者が増加
iDeCoは、2001年に「個人型確定拠出年金」の呼び名でスタートし、2016年に現在のiDeCoの愛称がつきました。その後、2017年と2022年に制度が一部変更されています。
スタート当初の加入者は、国民年金の第1号被保険者と企業年金のない会社員に限られていました。しかし、2017年の法改正で、専業主婦や企業年金のある会社員、公務員など60歳未満のほぼ全ての現役世代に対象範囲が広がりました。
2022年には、企業型DC加入者がiDeCoに加入できたり、加入できる年齢の上限が延びたり、受け取り方の選択肢が広がったりと、長寿化やライフスタイルの多様化に即した制度にアップデートしています。
足元では、2023年度与党税制改正大綱で65歳未満となっている加入可能な年齢が70歳未満に引き上げられることになりました。
制度上60歳まで口座解約できない
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