思惑の変化に伴うポジション調整がもたらす長期金利上昇
6月15-16日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)では米金融緩和継続が決定されたが、政策金利見直しなど先々の利上げを示唆するものだった。また、先進国のなかには利上げの動きに向かうところも出てきている。以下の図表1は金融政策に対する思惑の転換が市場参加者のポジション調整をもたらす概念図である。図表1に示されたように、2020年半ば、次の一手は緩和しかありえないとの歪(いびつ)な期待分布であったことによって大幅な長期金利低下が生じた。
その後、実際に米国で政策金利が引き上げられるのはまだ先としても、2020年末以降、市場で次の一手は緩和ではなく正常化ではないかと意識されるだけで大きなポジション調整が生じた。その結果、2020年後半から2021年初にかけ米国長期金利が一時1.77%までと1%以上の上昇となった。
市場参加者としてはFRB(米連邦準備理事会)の行動を正確に予想するゲームより、市場の思惑のシフトを重視したリスク管理に重点を置くべきだ。今後、新型コロナウイルス感染の終息期待で、金融緩和を中心とした正常化議論が生じる場合には、先に示した資産市場を底支えする金融緩和に修正も生じうる。
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