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本連載では、税理士に寄せられた相談者からの質問をもとに、主に「おひとりさま」の相続に関するさまざまな疑問に答えていきます。第2回のテーマは、法定相続人がいない場合の財産の扱いです。

財産はすぐに国に没収されるわけではない

ちょっと寂しい言葉ですが、「生涯未婚率」という言葉をご存じでしょうか? 内閣府が国勢調査を基にして発表するデータの一つなのですが、50歳までに一度も結婚をしたことのない人の割合のことを言います。そしてこの「生涯未婚率」令和2年版の「少子化社会対策白書」によると、2015年時点の生涯未婚率は男性では23.4%、女性は14.1%と、昭和60年(1985年)では男女とも4%前後だったことを考えると決して少なくない割合となっています。
このまま晩婚化、少子化が進めば自ずとおひとりさまも増えていくことがわかりますね。
というわけで、おひとりさまが増えている昨今、自分が亡くなった後の自分の財産はどこに行ってしまうのかを心配される方も増えています。

【図表】50歳時の未婚割合の推移
50歳時の未婚割合の推移
資料:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」(2018年1月推計)、「人口統計資料集」(2018年版)
2015年までは「人口統計資料集」(2018年版)、2020年以降は「日本の世帯数の将来推計」より、45~49歳の未婚率と50~54歳の未婚率の平均。

Q.
私には相続人がいません。
相続人がいない人が亡くなると、財産は国に没収されてしまうと聞きました。
没収されるくらいなら、お世話になった方に差し上げたり、福祉施設に寄付をしたりしたいのですがどうすればいいのでしょうか?

A.
法定相続人がいなくても、「特別縁故者」が財産を受け継ぐ場合もあります。
財産を寄付したい場合は、生前に遺言書を作成する必要があります。

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