年金基金をはじめとした機関投資家の新たな収益の源泉として注目を集める中国。しかし、足元では習近平政権の規制強化や中国恒大集団の債務危機などを通じ、対中投資のリスクを懸念する声も多い。長期運用を手掛ける機関投資家は、中国とどう付き合うべきだろうか。連載「『中国投資』の可能性を探る」第3回では、ピクテ投信投資顧問でマクロ経済の観点から中国をリサーチしている梅澤利文氏に、投資の意思決定を下す際のキーポイントなどを聞いた。
中国恒大集団の債務危機はシステミックリスクに拡大する可能性は小さい
2010年に名目GDP(国内総生産)規模で日本を抜き、世界第2位の経済大国になった中国。ここにきて中長期的な成長の鈍化が予想されるようになっているものの、ピクテ投信投資顧問 投資戦略部 ストラテジストの梅澤利文氏は、「中国の1人当たりGDPは先進国に比べ低く、これに追いつくべくキャッチアップ政策の余地は残されている。先端技術分野などを伸ばしていく政策や方針は見逃せない。潜在的な成長率に支えられた投資魅力がある」と力を込める。
同国のGDP成長の構成は、個人消費が低く不動産比率が高い特徴を持つ。「今後は政府の働きかけなどで個人消費に成長のドライバーをシフトさせる必要はある。これに伴い、中国の成長率低下は想定される。しかし、世界銀行など国際機関や、主な先進国中央銀行の長期予測を見ても、ばらつきはあるが多くは3~5%程度の成長を見込んでいる。先進国と比較して高い経済成長を維持する潜在性は残されているようだ」(梅澤氏)
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