2020年以降の新型コロナウイルス禍から復活したと思えば、すぐに急速な金利上昇に見舞われ価格が下落するという、ここ数年厳しい状況が続いてきた世界のREIT市場。2024年は利上げ局面がようやく終わりを迎え、回復トレンド入りに期待ができそうです。米国REITとJ-REITの足元の動向と今後の見通しについて、アイビー総研代表取締役の関大介氏に聞きました。
(『ファンドマーケティング』2024年3月発行号より転載)
商業用不動産価格の調整で不動産利回りが回復
世界最大規模の米国のREIT(不動産投資信託)市場に資金が戻りつつあります。一般に、REITは資金を借りて不動産に投資するため、金利が上がると借り入れコスト負担が増すとの連想から価格が下落するなど「金利上昇に弱い」とみられています。2022年3月以降、FRB(米連邦準備理事会)による大幅な利上げで米国REIT市場は下落が続いていましたが、2023年12月にパウエル議長が利上げ終了を示唆したことによって急速に回復しました。買いが進んだ米国REITの動きに合わせてグローバルREITも上昇基調にあります。
米国の商業用不動産(オフィスや住宅、物流など)の価格は歴史的な高値圏まで上昇した一方で、主要セクターのオフィスは、リモートワークの定着、およびIT業界や金融業界の人員削減などが影響して空室率が高止まりしています。空室率が上がれば賃料収入が減り、利払い負担の増加に伴うREITの利回り低下につながります。その上、金利の上昇による資金借り入れコストの上昇で、新しい物件が買えないといった強い逆風を受けている状況にありました。
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