銀行・証券・保険での職務経験を持つ戸田博之の実践的なアドバイスが好評の本連載。今回は、企業に社会的責任が問われる中で、保険会社や銀行が社会貢献活動として、金融教育を実践することについての意義やメリットを考える。
(『保険マーケティング』2023年12月発行号より転載)
ラジオ体操の起源
米メットライフ社のスティーブン A.カンダリアン元CEOが2015年にニューヨークで行ったスピーチがネットに公開されている。その中で氏は、1920年代に同社が全米諸都市で行っていたラジオを通じた体操の普及活動について述べている。元々の主旨は、同社の保険契約者の健康増進のためだったとのことである。さらに、1925年に同社本部を視察に訪れた日本の官僚たちにこれを伝えたところ、彼らがアイデアを日本に持ち帰ったことを紹介している。これが後にラジオ体操として普及し、日本文化の一翼を担うこととなった。
同社と日本のつながりを示すエピソードとして披露された話題ではあるが、私は企業の社会貢献のあり方を示す一例として、興味深く視聴した。少し前まではCSR、近年ではSDGsとして、企業が社会の中で果たすべき役割について、多くの議論がなされてきたと思うが、社会貢献活動はその企業の本業の延長線上にあるべきと、私は考えている。米メットライフ社のラジオ体操普及運動は、そのような例として見ても良いのではないだろうか。
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