投資や資産運用に関する「怖い」「危ない」といった顧客の不安を払拭し、NISA制度を利用してもらえるようなヒントをQ&Aスタイルでご紹介します。
(『ファンドマーケティング』2023年9月発行号より転載)
Q
現在NISAで資産運用中です。
制度が変わると聞いたけど、
今のNISAはどうなりますか?
A
新NISAとは別枠で継続可能です。
ただし、現行NISAの保有商品を
新NISAの口座に移すことはできません。
非課税保有期間の無期限化と制度の恒久化がポイント
2024年1月から新しいNISA(少額投資非課税制度)が開始予定です。一般NISAとつみたてNISAは「成長投資枠」と「つみたて投資枠」になり、両者の併用が可能になります。さらに、一般NISAが120万円、つみたてNISAが40万円だった年間の投資上限額は、それぞれ240万円と120万円の合計360万円に拡大します。中でも最大のポイントは、非課税保有期間が無期限化し、制度が恒久化することです。これにより、「いつ始めるか」「いつまで非課税か」を意識することなく、生きている間はずっと制度を利用できます。いつスタートしてもよいし、いつ中断していつ再開してもよい──と融通が利く点は非常に大きなメリットでしょう。
現在NISA口座を開設している場合、自動的に新NISA口座が開設されるので、特段の手続きは不要です。新旧分離の制度のため、一般NISAは購入した年から5年間、つみたてNISAは20年間そのまま非課税で保有できます。ただし、現行NISAの保有商品を新NISAの口座に移すことはできません。また、非課税期間が終了すると、商品は課税口座に移されることになります。
そのため、一般NISAの保有商品は、5年間の非課税期間の終了時点でもし値下がりしていても、課税口座に移管するか、売却することになります。課税口座に移すと、移管時の時価が取得価額とみなされます。例えば、100万円で投資した商品が80万円に値下がりして5年間の非課税期間を終えたとしましょう。課税口座移管後に商品が値上がりして100万円で売却すると、20万円利益が出たとみなされ、課税対象になるのです。
非課税で運用できる期間が十分に残っているならば、慌てて売却する必要はないかもしれません。しかし、NISA口座で発生した損益は、他の口座と損益通算したり、繰越控除したりすることはできないので、利益が出ているうちに売却し、その資金を新NISA枠に充てるのも1つの選択肢と言えるでしょう。
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