では、なぜその「流通市場の取引価格」は、金利が動くたびに上下するのでしょうか。後編では、これに気付くまでに、わたしの中にあったもうひとつの大きな見落としポイント「クーポンは固定、動くのは『価格』だった!」を取り上げ、「金利が上がると債券価格は下がる」の本当の理由をおさらいしていきます!
そもそも、債券は「何が動いて」「何が動かない」のか
前編に登場した、債券について聞いてきた友人。「中古市場というのがあって、そこで毎日価格が動いているんだよ」──そこまでは答えられても、「じゃあ、なんで金利が動くと、その価格が変わるの?」という続きの質問には、当時のわたしはやはりうまく答えられませんでした。
それは、「債券は何が固定されていて、何が動いているのか」という基本構造を、わたしがちゃんと整理できていなかったからでした。
前編で触れたとおり、債券は「お金を借りたい発行体に、投資家がお金を貸す」かたちで生まれる借用証書です。借用証書ですから、決まった利息(クーポン)と元本が、約束どおりに返ってきます。たとえば、表面利率2%・残存期間10年・額面100円の債券を持っていれば、毎年2円の利息を受け取り、10年後に額面100円が返ってくる──というキャッシュフローが、発行時点でいったん固定されているわけです。
一方、その債券が、流通市場で投資家たちによって売買される際の取引価格は、前編で見たとおり、日々変動しています。
ここで気づくべき構造が、“何が変わって、何が変わらないのか”です。
整理すると、「クーポンや償還される額面(=将来のキャッシュフロー)は最初から固定、市場で動くのは流通市場の取引価格のほう」という関係が見えてきます。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、わたしにとっては、この構造の整理を飛ばして「金利と債券価格の関係」を理解しようとしていたところが、わたしの2つ目の見落としポイントでした。
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