BIPROGYは2026年7月16、17日の2日間、「BIPROGY FORUM 2026」を開催した。AI技術で革新的な社会価値の創造を実現するために、BIPROGYグループが多様な領域で挑むAI活用の最新動向を紹介したセッションや、同社が展開する幅広い事業領域の展示から、17日のセッション「新しい金融の波をチャンスに変える」で交わされた議論を振り返る。ステーブルコインやトークン化預金など、金融機関の本部が今から動向を押さえておきたい次世代金融インフラの潮流と、変革を支えるBIPROGYの取り組みをひも解き、関連する展示ブースの一部も紹介する。
ブロックチェーン上で変わる金融サービス

代表取締役社長
藤野 宙志 氏
金融のデジタル化は決済の効率化にとどまらず、銀行の役割や収益機会そのものを変えようとしている。セッションでは、グッドウェイ代表取締役社長の藤野宙志氏がモデレーターを務め、麗澤大学名誉教授の中島真志氏、Translink Capital Principalの高橋さつき(May)氏、BIPROGY執行役員 ファイナンシャル部門の渡邊弘巳氏が、デジタル金融の動向と金融機関の事業機会について意見を交わした。
中島氏は、その前提となる暗号資産、ステーブルコイン、トークン化預金、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の違いを解説した。ステーブルコインは法定通貨などに価値を連動させるデジタル通貨で、トークン化預金は銀行預金に対応するデジタル通貨を発行し、ブロックチェーン上で移転できるようにする仕組みだ。預金の一種であるため、既存の預金制度を活用しやすい点が特徴となる。

- 麗澤大学
名誉教授
中島 真志 氏

- Translink Capital
Principal
高橋 さつき(May) 氏
中島氏は、「いま注目されているのは誰が発行するかという点ですが、むしろ重要なのは、発行したステーブルコインを何に使うのかです」と強調した。クロスボーダー送金、店舗やECでの決済、デジタル証券の受け渡しなど活用の幅は広い。現在の金融取引は、営業時間や決済の締め切り、複数システムをまたぐ処理など、既存インフラ上の制約を受ける。一方、通貨や証券の取引・所有記録をブロックチェーン上で管理する「オンチェーン化」が進めば、24時間取引や資産の小口化に加え、代金と証券の同時受け渡しや、一定の条件を満たした際の自動決済なども可能になる。
高橋氏は、「海外では大手金融機関だけでなく、地域銀行を含むミッドマーケットにも活用の検討が広がり、実証実験から実装段階へ移りつつあります」と指摘した。金融サービスの表側だけでなく、それを支える基盤自体を変える動きが本格化しているという。
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