ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ傘下のハリス・アソシエイツは2026年6月9日、東京都内で足元の日本株市場の分析と今後の長期的な見通しに関するメディア向け説明会を開催した。同社は、昨今の日本株の急上昇の背景をどう分析し、現在の価格水準をどう評価しているのか。そして多くの市場関係者が見過ごしている投資機会とは。同社 日本株戦略ポートフォリオ・マネジャーのエリック・リュー氏の講演内容を紹介する。

ハリス・アソシエイツ 日本株戦略ポートフォリオ・マネジャーのエリック・リュー氏
短期的な株価の勢いではなく、企業の本来的な価値を見極める
当社ハリス・アソシエイツは、1976年の創業以来、約50年にわたってバリュー投資を貫いてきた。投資哲学は明快で、企業の本源的価値に対して、割安で取引されている銘柄を見極め、長期で保有するというものだ。
四半期業績の結果や、短期的な株価のモメンタム(勢い)よりも、5年、10年という時間軸で企業の長期的な成長力、キャッシュ創出力、また株主還元への姿勢を見る。
一社一社の企業を細かく分析するボトムアップ・アプローチによって、株価指数などマクロ情報に基づくトップダウンの判断で過度に売られすぎている、あるいは多くの投資家が見逃している質の高い銘柄に光を当てる投資手法を採っている。
中小型×内需関連銘柄に投資妙味
昨今の日本株市場を振り返ると、AI(人工知能)関連需要の拡大を背景に半導体関連銘柄へ資金が集まる傍ら、電線や電子部品、電力関連といった周辺分野にも物色の裾野が広がり、日経平均株価は高値を切り上げてきた。
それに伴い、日本株全体のバリュエーションも高まっている。2022年に12倍程度だった予想PER(株価収益率)は、2026年3月末時点で約16倍と、約4年間で約33%上昇した計算になる。
過去と比較して現在の水準を見ると、「日本株はすでに割高ではないか」と警戒する声が出るのも自然だが、指数全体の水準で判断するのではなく、企業ごとの収益力や財務内容を丁寧に見ていくと、なおも割安に放置されている銘柄は少なくない。
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