(『ファンドマーケティングvol.84』2026年7月13日発行号より転載)
利益を出せるかどうかより「自分」に合っているかどうか
深野 康彦氏
代表
2024年の新NISA(少額投資非課税制度)の開始以来、個人投資家のなかで人気を集めているのが、S&P500などへの連動を目指す米国株のインデックスファンドです。2026年6月初旬時点でS&P500種株価指数の年初来上昇率は10%を超えています。米国の株価上昇を牽引してきたのは、AI(人工知能)銘柄やそれに関連する半導体の銘柄群です。
こうした株式市場が好調な環境では、投資家のリターンは運用スタンスによって大きく2つに分かれます。株式に集中投資した人たちは大きな上昇の恩恵にあずかり、株式、債券、不動産、コモディティと複数のアセットクラスに分散させた投資家は相対的にパフォーマンスが見劣りしてしまいが投資の基本として「分散」が重要であることは広く知られている。しかし、足元のように株式が好調に推移する相場環境では、資産分散によってリターンが見劣りする場面もある。分散投資の本質を「リスクと共存するための方法」と捉える、メディアでも活躍するファイナンシャルプランナーの深野康彦氏に、米国株式に偏る運用からの視野の広げ方と具体的な投資先を聞いた。長く投資を続けるために「資産分散」で相場変動に備える米国株集中のポートフォリオを見直すちです。そして、前者のような積極的な運用スタンスの投資家ほど、現在の株式中心のポートフォリオを肯定的に受け止め、後者のように分散投資を実践している投資家ほど、「隣の芝生が青く」見えてしまい、自分のやり方が不安になることもあるでしょう。
「集中」と「分散」。どちらが利益を出せるか、損失を回避できるかは、相場の局面によって変わります。しかし、「自分の性格や好みにとってどちらが合っているか」という観点から選択すれば、仮にパフォーマンスが振るわない局面でも一定の納得感が得られ、長期投資を続けることができるでしょう。投信販売員の皆さんは、相場が好調な今だからこそ、それぞれのお客様にとっての資産分散をいま一度整理しておきたいところです。
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