世界経済がハードランディングする予想もあった中、粘り腰の展開が続いた2023 年。日本株市場は一時33 年ぶりの高値をつけるなど堅調な推移をみせる。2024 年の金融市場はどう動くか、注目ポイントと合わせて有識者に聞いた。※記事内容は2023 年11月15日現在
(『ファンドマーケティング』2023年12月発行号より転載)
2023年の日本株市場と2024年金融政策:エコノミスト 崔真淑氏
株主還元と未来への投資行動がカギ
東証のPBR改善要請が日本株上昇を後押し
2022年末から2023年初にかけて、これからは米国を含む世界で景気が減速・後退するとの懸念が広がっていました。しかし、実際には度重なる利上げと金利上昇から想定されるほどには悪化せず、多くの市場関係者にとって意外な展開だったのではないでしょうか。
そんな中、2023年に入り日本株がバブル崩壊後33年ぶりの高値をつけるなど急騰し、その後も概ね堅調に推移しています。日本株の上昇を後押ししている要因の1つが、2023年3月に東京証券取引所がプライム市場とスタンダード市場の全上場企業に対して行った経営改善要請です。とりわけPBR(株価純資産倍率)1倍割れの企業には、資本コストを上回る資本収益性を達成できていないとして、改善策を開示・実行するよう促しました。
PBRは「PBR=ROE(自己資本利益率)×PER(株価収益率)」なので、企業がROEを引き上げるために増配や自社株買いなど株主還元の姿勢を強めれば、株価上昇へ追い風となります。結果、PBR1倍割れ企業を中心に大きく買われました。
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