ニッセイ基礎研究所は2026年7月22日、「日経平均7万円はバブルではないと言い切れる理由」と題したウェビナーを実施した。AI(人工知能)・半導体関連株などを牽引役に日本株が高値圏で推移する状況を受け、研究理事 チーフ株式ストラテジストの井出真吾氏が、株価の「身の丈」や企業選別、アクティブ運用などをキーワードに、日本株投資を考えるうえでの視点を示した。
株価の「身の丈」は企業利益によって決まる
日経平均株価が史上最高値を更新すると、「バブルではないか」と警戒したくなる。しかしニッセイ基礎研究所 研究理事 チーフ株式ストラテジストの井出 真吾氏は、株価の水準そのものだけで割高・割安を判断することには慎重だ。
井出氏が株価の割高・割安を判断する際に用いるのが、「身の丈」という考え方である。日経平均株価の予想PER(株価収益率)14~16倍程度を標準的なレンジとし、企業の予想利益から見て無理のない株価水準を考える(図表1)。企業利益が増えてEPS(1株当たり利益)が伸びれば、それに応じて「身の丈」、つまり業績から説明できる株価水準も高くなる。
【図表1】 日経平均株価の標準レンジ(「身の丈」グラフ)
1989年末のバブル期の日経平均株価は約3万9,000円だった一方、企業利益から算出した「身の丈」は約1万円にとどまり、PERは60倍程度まで上昇していた。「バブルかどうかを考えるうえでは、数字そのものではなく、その株価が企業利益に見合った水準かどうかを見ることが重要です」(井出氏)
2026年6月下旬に記録した史上最高値である日経平均株価7万2,000円台の水準を正当化するには、当時の予想EPSからさらに13%程度のEPS増加が必要だった。2027年度の業績見通し(市場予想)を踏まえると、1年後にEPSが13%増えていること自体は不自然ではない。
一方、ここ数年の日本株上昇は、企業のROE(自己資本利益率)が大幅に改善したというより、投資家の期待を反映したPERの上昇に支えられた面が大きいと言う。こうした期待が一服し、PERが低下する局面では、企業の実力が株価を左右すると井出氏は見る。
「企業ごとの業績や成長力の差が大きく影響する市場環境になれば、その差を見極めるアクティブ運用の重要性も高まります。また、企業を選別するだけでなく、経営陣との対話を通じて中長期的な企業価値向上を後押しするエンゲージメント型のアクティブファンドも注目を集めやすくなるでしょう」(井出氏)
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