米国を代表する資産運用会社キャピタル・グループの日本法人であるキャピタル・インターナショナルは2026年3月16日、今後20年間の主要資産クラスにおけるリターン、相関、ボラティリティの長期見通しをまとめた「2026年資本市場前提(Capital Market Assumptions: CMA)」を発表した。2回シリーズで紹介する第1回は、「金利ある世界」となり収益性が注目を集める債券などのポイントを紹介する。

株式の今後20年間のリターンは、過去同期間の実績を下回ると予想

キャピタル・グループが、今後20年間の主要資産クラスにおけるリターンなどの見通しをまとめた「2026年資本市場前提」によると、想定年率リターンは、株式が約6%、債券が3~6%台だ。

株式については、2025年までの力強いリターンを踏まえ、各地域の期待リターンを前年予想より引き下げた(図表1)。また、日本株式以外は、今後20年間のリターンが過去20年間と比べて低いリターン水準となると予想されている。

【図表1】 株式市場の長期見通し
【図表1】株式市場の長期見通し
出所:キャピタル・グループ「2026年資本市場前提(Capital Market Assumptions)」
※2026年の予想値は2025年12月末現在(バリュエーションは2025年9月末現在)、2025年の予想値は2024年12月末現在(バリュエーションは2024年9月末現在)。長期期待リターンは幾何平均

一方、債券は、長期的に金利水準が高まるとの見通しから、低金利が続いた過去20年間と比べると、今後20年間のリターンは相対的に高い水準となる見込みだ(図表2)。

【図表2】債券市場の長期見通し
【図表2】 債券市場の長期見通し
出所:キャピタル・グループ「2026年資本市場前提(Capital Market Assumptions)」
※2026年の予想値は2025年12月末現在(バリュエーションは2025年9月末現在)、2025年の予想値は2024年12月末現在(バリュエーションは2024年9月末現在)。長期期待リターンは幾何平均

キャピタル・インターナショナル 取締役 インベストメント・ディレクターの雨宮弘明氏は、「今後20年間の年率リターンが株式約6%、債券3~6%との見通しは、過去平均に近い水準だ。長期的に平均的なリターンを期待できる環境にあるため、総じて長期的な投資環境は悪くないと考える」と説明する。

価格の振れ幅は大きくなる可能性に注意

一方で、注意すべき点もあると雨宮氏は明かす。

1つ目は、長期的に見た場合でも、価格の振れ幅が非常に大きくなる可能性がある点。特に株式市場は、ここ数年好調な相場が続き割高感が高まっている。企業のファンダメンタルズは堅調でも、何らかのショックが起きた際に株価が大きく下落する恐れがある。

また債券は、足元のクレジットスプレッド(国債に対する上乗せ金利)が歴史的に見てもかなりタイト(縮小状態)だが、ショック時には拡大し、一時的に債券価格が下落する可能性があるという。

2つ目は、地政学的リスクの高まりだ。新型コロナウイルス禍以降、米中の緊張関係やウクライナ紛争に加え、中東情勢の緊迫化など様々な不確実性が高まっている。雨宮氏は「これらは、おそらく短期的なイベントではなく、グローバルのパワーバランスの変化があらわれたものであり、常態化する事態も考えられる」と見解を示した。

不確実性の高い相場では、「分散投資」がカギに

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