コンサルティング営業への転換を目指す金融機関の間で「ゴールベースアプローチ」が広まっている。アセットマネジメントOne 未来をはぐくむ研究所 主席研究員の花村泰廣氏は、顧客のライフプランを踏まえた資産形成コンサルティングでは社会保険制度の理解が欠かせないと説く。
(『ファンドマーケティング』2024年7月発行号より転載)
老後が不安なのは「分からない」から
2019年6月に公表された「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書」をきっかけに、いわゆる「老後資金2000万円問題」が話題になりました。また、「2021年度国民のNISAの利用状況等に関するアンケート調査報告書」(日本証券業協会、日本取引所グループ、2022年6月)では、NISA(少額投資非課税制度)口座を開設した目的について、30代以上の全ての年代で「老後の資金を蓄えるため」との回答が最も多かったと示されています。これはつまり、多くの人が生涯を通じてお金に困ることなく経済的な安心感・幸福感を持ちたい=ファイナンシャル・ウェルビーイングを向上させたいと思っているということです。
少子高齢化が進む中、公的年金の給付水準は長期でゆるやかに低下する可能性があるものの、ここまで人々が不安を覚えるのは「何歳まで生きるか」「どのくらいお金を準備する必要があるか」が分からないからではないでしょうか。夜道が暗いと心もとないのと同様に、はっきりと見通せない未来を歩むのは怖いもの。そこをできる限りはっきりと可視化することで、不安を解消できると考えます。「老後の生活資金はこのくらい不足するから、ここの時期までにこれぐらい準備しておこう」など、目標から逆算する「ゴールベース」の考え方が重要になります。
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