アセットマネジメントOneとティー・ロウ・プライス・ジャパンは、DC(確定拠出年金)向けの運用商品提供や金融経済教育などのリタイアメントビジネスで協働することを決め、その取り組みの第一弾として、2025年3月31日にターゲット・イヤーファンド『未来のわたし』シリーズを設定した。

ターゲット・イヤーファンドは、投資家の想定退職年を見据え、運用会社が年齢ごとに最適と考える資産配分に調整する。同シリーズは、投資家の生まれ年を5年刻みでグループ分けした計8本で構成。1972年以前に生まれた投資家にはターゲット・イヤー(想定退職年)が2035年のファンドを、1983~1987年生まれには同2050年のファンドを、最も若いグループの2003~2007年生まれには同2070年のファンドを提供する。

 
投資対象資産クラスは、国内株式、世界株式、米国株式、欧州株式、新興国株式、REIT・コモディティ関連株式、国内債券、絶対収益追求型債券、世界債券、海外長期国債、ハイイールド債券の計11資産。同シリーズの委託会社のアセットマネジメントOneは、各資産の投資比率の決定にあたってはティー・ロウ・プライス・ジャパンの投資助言を受ける。年齢に応じた資産配分調整の仕組み(グライドパス)は、日本人のDC加入者を対象とした退職資産形成に関する実勢調査や年金シンクタンクから様々なデータを取得し、それらをパラメータとして設計した「日本仕様」になっているという。
 
日本のDC運用では、足元0%近辺の低利運用にとどまる加入者の一方、マーケットの変動に合わせて短期売買を繰り返す傾向も見受けられる。両社は金融経済教育に関しては、アセットマネジメントOneの社内組織「未来をはぐくむ研究所」を通じ、パーソナライズされた資産形成の考え方など情報提供の充実に努める。

■日米のグライドパスの株式配分比率比較(イメージ)

例えば、日本の社会保険料は比較的高く、公的年金の給付額は手厚い。そのため「社会保障制度(公的年金)」の日本向けでは、株式資産の配分比率は低めになることが示唆される

設計要素 米国を基準に見た
日本向けグライドパスの株式配分比率
資本市場 高めに
給与収入 低めに
DC掛金拠出率(貯蓄性向) 高めに
社会保障制度(公的年金) 低めに
平均寿命 高めに

出所:ティー・ロウ・プライス。2025年2月末現在

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