世界の不動産物件に分散投資するグローバルREITは、各国の利下げ・利下げ期待の高まりを受けて価格が反発しています。セクターの多様化など金融商品としての魅力の高まりと今後の見通しを、三井住友トラスト基礎研究所 海外市場調査部 主任研究員の風岡茜氏に聞きました。
(『ファンドマーケティング』2024年10月発行号より転載)
利下げ期待の高まりから2024年7~8月は大きく反発
REIT(不動産投資信託)は、41カ国・地域で1114社が上場しており、その市場規模は2024年6月末時点で約305兆円に上ります。主要なグローバルREI T指数の採用銘柄は、そのほとんどを時価総額の大きい上位10カ国・地域が占め、例えば「S&P グローバルREIT指数」では米国68.3%、豪州6.5%、日本5.8%、英国4. 1%、シンガポール3. 8%と、7割弱が米国市場です※。
市場規模の大きい国・地域では、セクターの多様化が進展しており、伝統的アセット(賃貸住宅、オフィス、商業施設、物流・産業用施設)に加え、データセンターや通信基地局などオルタナティブなセクターの存在感が高まっています。
さらに、「特殊用途」セクターが「データセンター」「セルフストレージ」「その他特殊用途」に、「賃貸住宅」セクターが「賃貸集合住宅」「賃貸戸建て住宅」に分化するといったように、サブセクターの細分化が進展。図表1はグローバルREITの構成比ですが、2014年末と2024年8月末を比べると、伝統的アセットの比率が80%から66%に低下した一方、特殊用途が6%から20%に拡大するなど大きく変化しているのが見て取れます。
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